1、何を作るか考える
シリアルのリカラーですので、ゲーム内でシムがシリアルを用意する手順、調理に何を使っていたか等を思い出し、ふさわしい料理を考えます。
今回私は、「納豆茶漬け」 を作ることにしました。牛乳パックをお茶パック、シリアルの箱をふりかけ風デザインにリカラーすれば、それっぽくなるかな?
2、SimPEでクローンを取り出す
SimPEを起動します。
Tools > Object Creation > Object Workshop でObjectWorkshopを表示します。
もしくは画面右端の縦列に並んでいる「ObjectWorkshop」のタブをクリックします。
ObjectWorkshopが開いたら、「Start」をクリックします。
読み込みにそこそこの時間がかかるので、辛抱強く待ちます。
読み込みが終わると、オブジェクトのカテゴリ一覧が出てきます。
「Unkown」をクリック。
ずらずらとオブジェクトが表示されます。ここからシリアルを探し出しましょう。
見つけたら、シリアルをクリック。
次に画面上部にある「Next」をクリックしてください。
次の画面になったら、プルダウンから「Clone」を選択。
下のチェックボックスは以下のようにチェックを入れてください。
チュートリアルに以下のような説明が添えてあります(若干意訳)。
―― 今回シリアルのリカラーのみを行うので、メッシュは必要ありません。そのため、「reference Original Mesh tab」にチェックを入れて、オリジナルのメッシュを参照するようにします。
シリアルは「焦げる」事がない料理なので、「Pull #Straight Linked Resources」にチェックを入れる必要はありません。――
「Start」ボタンを押しましょう。
「Scenegraph Rename Wizard」のウィンドウが開きます。
「ModelName」のところに好きな名前を半角英数字で入れます。スペースは使えません。
入力したら、テキスト欄の下の「update」を押します。そして、「OK」します。
自分の分かりやすい場所に、ファイルをセーブします。
3、画像を取り出して、リカラーする
画面左の「Resource Tree」から「Texture Image(TXTR)」をクリック。
右上の「Resource List」にいくつかファイルが出てきます。
リカラーが必要な画像は「foodprepcereal-ingredients_txtr」ですので、これをクリック。
すると、下の「Plugin View」に中身が表示されます。
これはまな板の上でシリアルを用意する時の為の画像ですね。
画像の上で右クリックして、画像を「Export」し、適当に名前をつけて保存。
同様にして、「foodutensil-cereal_txtr」からも画像を取り出します。
こちらは、器の中のシリアルの画像になります。
SimPEを終了して、取り出したそれぞれの画像を、編集ソフトでいじります。
再びSimPEでシリアルのファイルを開きます。
新しく作った画像を、既存のものと入れ替えましょう。
TXTRからそれぞれの画像を選び「Plugin View」の画像の上で、右クリック。
「Build DXT」を選びます。Formatは「DXT3」がいいかも。
画像がインポートできたら、「Fix TGI」を押し、「Commit」します。これで変更が確定します。変更が確定された「Resource List」のファイルは斜体となるので、すぐに分かります。
以降の操作でも、Commitは忘れないようにして下さい。
もうひとつの画像も、同様にして入れ替えます。「Commit」します。
できたら、一度ファイルをセーブします。
4、メニュー名の変更
「Resource Tree」から、「Text Lists(STR#)」をクリック。
「Resouce List」から、「Text List(もしくはPie Menu Strings)」を選択します。
下の「Plugin View」に、料理に関するパイメニューが英語で出てきます。
必要があれば、英語のパイメニューを先に編集します。
「Cereal」の単語を含む行を選択し、「String」のところでCerealのところだけ「Natto Tyaduke」などと変更します。
次にプルダウンから「Japanese」を選択します。
「Reveal defalt language for comparison」にチェックを入れておきます。
右側にデフォルト言語である英語のパイメニューが出てきます。それぞれ日本語のメニューと対応していますので、確認しながら作業するといいかもしれません。
日本語についても、「シリアル」を含むパイメニューの行をクリックしてから、「String」で「納豆茶漬け」と直していきます。
できたら、「Commit」します。
ちなみにこの段階では、中国語とかドイツ語とかロシア語などはもとのまま、それぞれの国の言葉で「シリアル」と表示されます。使用しない言語を削除する場合は「Default lang only」を押して下さい。英語以外の全ての言語が消えます。
その上で改めて、自分が対応できる言語をプルダウンから「Japanese」などと選び、対応する言語で入力しなおしていきます。
ちなみに設定されていない言語では、ゲーム内ではデフォルトの英語の選択肢が表示されます。
次にResouce Treeから、「Catalog Discuription」を選択。
右に表示されたResouce Listから、「Catalog Discription」をクリックします。
すると、下のPlugin Vewに内容が表示されます。
先程と同じように、英語、日本語ともに「シリアル」を「納豆茶漬け」に変更しましょう。
できたら「Commit」します。
必要な場合は、ここでも「Default lang only」を押しての操作を行います。
5、GUID取得
「Resource Tree」から「Object Data(OBJD)」を選択。
「Resource List」に二つのファイルが表示されます。
この二つについて、それぞれ新規GUIDを取得します。
まずは「Food - Cereal - Menu」をクリック。
下のPlugin Viewに表示されます。
ここでFilenameをお好みで変更します。上のSSでは「Food - Natto Tyaduke - Menu」に変えています。
「get GUID」をクリックして、新規GUID取得。SimPEに未登録だった場合は、登録後に取得できます。
取得したら、「update」を押して、Commitします。(MMATはないので、update all MMATsにチェックを入れる必要はないみたいです)
この辺りはオブジェクト作成と同じ流れです。
「Fallback GUID」には、クローン元のGUIDが入っています。後で必要なので、値を覚えておきます。
同様にして、「Food - Cereal」でもGUID取得。
ここでも「Fallback GUID」の値を覚えておきます。
ここで念のためにファイルをセーブ。次にいきます。
6、BHAV修正
「Resource Tree」から「Behaviour Function(BHAV)」をクリック。
「Resource List」から「CT - Guid - Menu」をクリック。
下のPlugin Viewに中身が出ます。
(↑画像クリックで拡大表示)
ここで「Text Object Type」というコードをクリック。
Boxが水色になって、右側に情報が出てきます。
「Instruction Settings」という項目を見ます。
「Operands」の下に文字が出ています。これはOperandsで設定されている値の翻訳内容。
「GUID 0x6C32DB05」という所に注目。これはOBJDの「Food - Cereal - Menu」の元のGUID、つまり「Fallback GUID」と同じ値になっています。
新規にGUIDを取得したので、ここの古い情報も変えなくてはいけません。
「Operands」の隣に三つボタンが並んでいて、一番左にトンカチとスパナを交差させたようなボタンがあります。
これをクリック。
こんなウィンドウが開きます。
古いGUIDが入っているテキスト欄に、新しいGUIDを入力して、「Okay」ボタンを押します。
「Operands」の値が変わって、「Intruction Settings」の下の文字も、GUIDが新しくなっているか確認。
合っていれば、「Commit」します。
(↑画像クリックで拡大表示)
次に、「Resource List」から「CT - Factory - Food」を選択。
0x0行の「Create New Object Instance」をクリック。
「Instraction Settings」を見ます。ここも、OBJD「Food - Cereal」の古いGUIDが表示されているのが分かります。
変更しなければなりませんが、先程使ったボタンは使えません。仕方ないので、手作業でOperandsに値を入れていきます。
「Operands」の上段左から4マスの数字と、下の「GUID 0x8C32DB04」が対応しています。
見比べてみると、入力の法則が分かります。
「0x」以下の8桁の数字を、二つずつに区切り、小さい方の桁から順に入力しているのです。
例えば新しいGUIDが「0x12345678」の場合、Operandsには「78 56 34 12」と入力します。
Operandsの他のマスは絶対にいじりません。
(↑画像クリックで拡大表示)
こんな感じになりました。
「Instruction Settings」の下のGUIDと、0x0行のCreate New Object InstanceのところのGUIDが正しくなっているか、確認。
良ければCommitします。
最後に、Tools > Object Tools > Fix Integrity を選択。
クローン直後に出てきたウィンドウが開きます。
「OK」を押してウィンドウを閉じます。「update」を押してはいけません。
これで作業は終了。ファイルをセーブして、SimPEを終了します。
7、ゲームで確認
シムズ2を起動して、動作確認です。
出来ればテスト用の近所、もしくは区画とテストシムがいると便利。
シムに料理させてみます。
おかしな部分があれば、ゲームを終了してSimPEで作業漏れがないか、間違いがないか確認します。
以上です。
リカラーだけでも、オリジナル料理作成は結構楽しめるかもしれませんね。
今回使用した納豆茶漬けの画像はこちら。よろしければお使いください。
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